Forza Horizon 5 AWDオンロードS1クラスのセッティング(前編)

ForzaHorizon5

今回はForza Horizon 5(FH5)にてAWD(4輪駆動)車のオンロードS1クラス向けのセッティング行う方法について具体例を挙げて説明します。

今回セッティングの方法を変更し、長くなりますので前編・中編・後編に分けています。

前回と今回、次回(中編後編)の記事はアップグレードやセッティングの解説の目的に加えて自己の限界に挑戦する目的でも書いています。

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セッティング対象車及びコースの紹介、今回の目標タイム

セッティング対象車は前回の記事でアップグレードを行った2005 FORD GTになります。

コースはHORIZONメキシコサーキットにて実走セッティングを行います。

HORIZONメキシコサーキットは90km/h前後の低速コーナーから200km/hオーバーの高速コーナーもある比較的バランスが取れたコースになります。

S1クラスになるとストレートエンドで260km/h~270km/h程度まで速度が出ます。

今回の目標タイムは以前ツイートした、2005 FORD GTのS1クラス向けセッティングのタイム「00:57:703」を超えることを目標にセッティングを進めていきます。

初回実走セッティング時に確認すべきこと

初回実走セッティングで時に下記を確認します。

立ち上がりでアンダーステアが発生し、まともに走ることができない。

アンダーステア強い場合はアップグレードの見直し、セッティング変更で解消します。

(AWD車である以上、アンダーステアと無縁になることは難しいので、上記の設定を行っても改善されない場合もあります。)

アップグレードを見直してアンダーステアを解消する場合

  • フロントタイヤ幅を太くします。
  • リヤタイヤ幅を細くします。
  • 軽量化やシャーシ補強/ロールゲージを装着します。
  • 冷却系やインタークーラー等重量が大きく増えるアップグレードを取り外します。
  • ホイールスタイルにて軽いホイールを装着します。

セッティング変更で解消する方法につきましては実走セッティングにて説明します。

ストレートでライバルのゴーストよりも明らかに速度が伸びず、パワー不足を感じる。

車のパワーが不足している場合は下記を行って下さい。

  • ホイールスタイル(重いホイールの装着)を行った後、エンジン関係のアップグレードを装着します。
  • エンジン関係のアップグレードにてインタークーラー、オイル/冷却装置、ターボ/スーパーチャージャー、キャブレター(レース仕様)を優先的に装着します。
  • NA車の場合、吸気方式にてターボを装着します。
  • エンジン換装で重くパワーのあるエンジンへ換装する。

※インタークーラー、ターボ/スーパーチャージャーはターボ/スーパーチャージャー搭載車のみ選択可能です。キャブレター(レース仕様)は一部のNA車のみ選択可能です。

実走セッティング

それでは、2005 FORD GTをオンロードS1クラス向けにセッティングしてみます。

初回実走時

初回実走時のベストタイムは「00:59:180」でした。

コーナー侵入時はしっかりとフロントに荷重移動すれば鼻先がインに入りますが、立ち上がりのアクセルオンで強いアンダーステアが出る為、曲がりにくいです。

アクセルオン時のアンダーステアが解消されればタイムが伸びそうです。

フロントデフの調整

AWD車はデフの設定で車のハンドリング特性を大きく変えることができます。

アクセルオン時のアンダーステアが強い為、フロントデフの加速を弱めてみます。

デフ調整後のベストタイムは「00:59:274」でした。

アクセルオンでのアンダーステアは少し軽減されましたが、 高速コーナー時のアンダーステアは改善されていません。

加えて、コーナーリングスピードが落ち、ブレーキの効きが悪くなったように感じました。

デフのフロントの加速の数値は元に戻します。

センターデフの調整

アンダーステア解消の為センターの値をリヤよりにしてみます。

1度目のセンターデフ調整後のベストタイムは「00:58:462」でした。約0.7秒のタイム更新です

アンダーステアが軽減され、自然なコーナーリングができるようになりました。

更にセンターデフをリヤ寄りにしてみます。

2度目のセンターデフ調整後のベストタイムは「00:58:634」でした。

更にコーナーリングのフィールが良くなりましたがタイムに直結はしていません。

周回を重ねると車が曲がらなくなり、良いタイムが出なくなりました。

センターデフの数値はこのままの値で、周回を重ねると車が曲がらなくなる原因を探ります。

キャンバーの調整

ハンドリングは良くなっても、速さが維持できなければ意味がありません。

そこでタイヤ温度に着目してみます。

下記は最終コーナーを通過し、7周目の第一コーナー侵入前のタイヤ温度です。

フロントタイヤ・リヤタイヤ共にインナーがアウターよりも35~40℃温度が高くなっており、発熱が偏っています。

これが周回を重ねると車が曲がらなくなる原因ではないかと考えられます。

フロントタイヤ・リヤタイヤの発熱の偏りはリヤキャンバーの調整で改善できます。

今回はインナーの温度が高いのでキャンバーの数値を0に近づけます。

キャンバー調整後のベストタイムは「00:58:404」でした。約0.06秒のタイム更新です。

タイムが安定したのと周回を重ねても車が曲がらなくなることはなくなりました!

しかし、アクセルオン時に車が少し外に膨らむようになりました。

加えて、最終の高速コーナーが遅いのでコーナーリングスピードを上げることが出来ればタイムを詰めることができそうです。

下記がキャンバー調整後の7周目の第一コーナー侵入前のタイヤ温度です。

撮影場所が若干異なりますが、フロントタイヤ・リヤタイヤの発熱の偏りが大きく改善されていることが分かります。

フロントダウンフォースの調整

現時点では最終の高速コーナーで上手く速度を乗せて曲がれません。

高速コーナーをより速い速度で曲がれるようにする為、フロントダウンフォースを最大まで大きくしてみます。

1度目のフロントダウンフォース調整後のベストタイムは「00:58:376」でした。約0.03秒のタイム更新です。

高速コーナーでのアンダーステアはましになったものの、低中速コーナーではコーナーリング中にフロントが上から押さえつけられている感覚が強く、鼻先がインに入るのが重いです。

フロントダウンフォースを最大値と初期値の中間の値に設定してみます。値の算出は下記で行いました。

112+(151-112)/2=131.5

2度目のフロントダウンフォース調整後のベストタイムは「00:58:375」でした。約0.001秒のタイム更新です。

低中速コーナーのコーナーリング中にフロントが上から押さえつけられている感覚が無くなり、インに入るのが軽くなりました。

さらにフロントダウンフォースを最大値と2度目の調整値の中間の値に設定してみます。値の算出は下記で行いました。

131.5+(151-131.5)/2=141.25

3度目のフロントダウンフォース調整後のベストタイムは「00:58:144」でした。約0.2秒のタイム更新です。

中速コーナーでの立ち上がりで外に膨らみにくくなり、高速コーナーでも曲がり易くなりました。

フロントスプリングの調整

スプリングについてはとにかくアンダーステアを消すためにフロントを最も柔らかくします。

1度目のフロントスプリング調整後のベストタイムは「00:58:068」でした。約0.09秒のタイム更新です。

低速コーナーではやや曲がり易くなりましたが高速コーナーでは乗り方次第でフロントサスペンションが底付きを起こしてしまいます。

フロントスプリングの値を最小値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

98.1-(98.1-50.1)/2=74.1

2度目のフロントスプリング調整後のベストタイムは「00:58:176」でした。

高速コーナーではフロントサスペンションが底付きは無くなり少し曲がり易くなりましたが、低中速コーナーではインにつきにくくなりました。

フロントスプリングの値を最小値と2度目の調整値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

74.1-(74.1-50.1)/2=62.1

3度目のフロントスプリング調整後のベストタイムは「00:58:154」でした。イマイチタイムが出ません。

乗り方によってフロントサスペンションが底付きすることがあるものの、フロントスプリングの値を最小値にした時が最もタイムが良いので、最小値に戻しフロントダンパーを調整します。

フロントダンパーのバンプ減衰力の調整

まず、バンプ減衰力調整から行います。

フロントダンパーについてもアンダーステアを消すためにバンプ減衰力を最小値にします。

1度目のフロントバンプ減衰力調整後のベストタイムは「00:58:339」でした。曲がり易くなりましたがタイムに直結していません。

フロントバンプ減衰力の値を最小値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

6.2-(6.2-1)/2=3.6

2度目のフロントバンプ減衰力調整後のベストタイムは「00:58:090」でした。

初期値に比べて低中速コーナーで非常に曲がり易くなりました。

一方で高速コーナーが少し曲がりにくくなったのが残念です。

フロントバンプ減衰力の値を2度目の調整値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

6.2-(6.2-3.6)/2=4.9

3度目のフロントバンプ減衰力調整後のベストタイムは「00:57:838」でした。約0.2秒のタイム更新です。

2度目の調整値の時より高速コーナーが曲がりにくさが少し改善されました!

フロントダンパーのリバウンド減衰力の調整

アンダーステアを消すためにフロントのリバウンド減衰力を最小値にしてみます。

1度目のフロントリバウンド減衰力調整後のベストタイムは「00:58:203」でした。

良く曲がるのですが、コーナーで離されてしまいます。

フロントもピョンピョン跳ねてしまいます。

フロントリバウンド減衰力の値を最小値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

9.9-(9.9-1)/2=5.45≒5.5

2度目のフロントリバウンド減衰力調整後のベストタイムは「00:58:070」でした。

フロントは跳ねなくなりましたが、コーナーで離されてしまいます。

フロントリバウンド減衰力の値を2度目の調整値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

9.9-(9.9-5.45)/2=7.675≒7.7

3度目のフロントリバウンド減衰力調整後のベストタイムは「00:57:989」でした。

2度目の調整値の時よりもタイムは良くなりました。

しかし、コーナーで離されてしまうことに変わりはありません。

フロントリバウンド減衰力は初期値の時が最もタイムがよいので初期値に戻します。

フロントスタビライザーの調整

フロントスタビライザーをいじってみます。

オーバーステア傾向にしてフロントの入りを良くできないか確認してみます。

変更前はフロントスタビライザーが結構固めなので最小値にしてみます。

1度目のフロントスタビライザー調整後のベストタイムは「00:57:778」でした。約0.06秒のタイム更新です。

フロントがインに入り易くなり、非常に気持ち良いです。

フロントスタビライザーの値を最小値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

37.9-(37.9-1)/2=19.45≒19.5

2度目のフロントスタビライザー調整後のベストタイムは「00:57:860」でした。

コーナリング時に車のフロントのロールは減りますが、アンダーステアが強くなりました。

フロントスタビライザーの値を最小と2度目調整値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

19.45-(19.45-1)/2=10.225≒10.2

3度目のフロントスタビライザー調整後のベストタイムは「00:57:794」でした。

2度目の調整値より曲がり易くなったものの、1度目の調整値の方が良いタイムです。

スタビライザーは1度目の調整値が最もタイムが良いので1度目の調整値に戻します。

フロント車高の調整

車高についても調整を行います。

フロント車高を一番下げてみます。

1度目のフロント車高調整後のベストタイムは「00:57:746」でした。約0.03秒のタイム更新です。

全体的に少し曲がり易くなりました。

低速コーナーでインの砂利部分にフロントタイヤ引っ掛けると少し姿勢を乱します。

フロント車高を最小値と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

12.3-(12.3-11.3)/2=11.8

2度目のフロント車高調整後のベストタイムは「00:57:803」でした。

1度目の調整値より明らかに曲がりにくくなりました。

フロント車高を最小値と2度目調整値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

11.8-(11.8-11.3)/2=11.55≒11.6

3度目のフロント車高調整後のベストタイムは「00:57:838」でした。

2度目の調整値より曲がりに易くなりましたが、1度目の調整値の方が良いです。

フロント車高は1度目の調整値が最もタイムが良いので1度目の調整値に戻します。

フロントリバウンド減衰力の再調整

フロントリバウンド減衰力がまだ詰め切れていないので、真逆の最大にしてみます。

1度目のフロントリバウンド減衰力再調整後のベストタイムは「00:57:824」でした。

コーナーリング時にズシリと安定し、コーナーリング時の姿勢が綺麗です。

しかし、やや曲がりにくく、インにもつきにくいです。

加えてブレーキの効きも悪くなりました。

フロントリバウンド減衰力を最大と初期値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

9.9+(20-9.9)/2=14.95≒15.0

2度目のフロントリバウンド減衰力再調整後のベストタイムは「00:57:850」でした。

曲がりにくく、インにもつきにくく、ブレーキの効きも悪いままです。

フロントリバウンド減衰力を最大と2度目調整値の中間の値に設定してみます。

値の算出は下記で行いました。

9.9+(14.95-9.9)/2=12.425≒12.4

3度目のフロントリバウンド減衰力再調整後のベストタイムは「00:57:872」でした。

曲がり易さ、インのつき易さ、ブレーキの効きは良くなりましたが、タイムが出ません。

フロントリバウンド減衰力は初期値が最もタイムがよいので初期値に戻します。

まとめ

フロント周りのセッティングが一通り完了しました。

今回はここまでとし、リヤ周りのセッティングは中編・後編にて行います。

セッティングして分かったこと

今回のフロント周りを中心にセッティングして分かったことを簡単にまとめてみました。

  • フロントデフの数値を小さくすると曲がり易くなりますが、コーナリングスピードはあまり上がりません。
  • センターデフをリヤ寄りにすることでアンダーステアが軽減できます。
  • フロントダウンフォースを大きくすると中高速域でのアンダーステアが軽減できます。
  • フロントダウンフォースが大きすぎると低中速コーナーでコーナーリング中にフロントが上から押さえつけられている感覚が強く、鼻先がインに入るのが重いです。
  • フロントスプリングを柔らかくすると低中速コーナーでアンダーステアを軽減できますが、高速コーナーではフロントサスペンションが底付きする恐れがあります。
  • ダンパーのフロントバンプ減衰力は小さくすることで低中速コーナーでのアンダーステア軽減に繋がりますが、高速コーナーが曲がりにくくなるので、小さくし過ぎない方が良いです。
  • ダンパーのフロントリバウンド減衰力を小さくするとスプリングの振動が減衰しない(振動が収まらない)のでピョコピョコ跳ねますが曲がるようになります。
  • フロントリバウンド減衰力を大きくするとコーナリング中にズシリと安定し、コーナリング中の姿勢も綺麗です。しかし、曲がりにくく、インにつきにくく、ブレーキも効きにくくなります。
  • フロントスタビライザーの値を小さくするとアンダーステアを解消できます。
  • フロント車高を下げることで低速~高速コーナーで全体的にアンダーステアを解消されます。ただし、底付きするリスクもあるので注意。

今回のセッティング情報

セッティング途中経過は下記となります。共有コード「175 923 988」で公開しています。

中編後編でリヤ周りのセッティングを行っていきますので、そちらもぜひご覧ください。

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